平成30年6月18日策定
白根開善学校中等部
白根開善学校高等部
学園長 神山誠一
H30年度 白根開善学校 運動部の活動ガイドライン
1.ガイドライン策定の趣旨
学校教育の一環として行われる運動部活動は、スポーツに関心をもつ子どもたちが、より高い技能や記録に挑戦することを通して、体力・精神力の向上、健康の増進、自主性・協調性・責任感・連帯感の育成、達成感・充実感・自己肯定感の獲得、学級とは異なる人間関係の構築など、豊かな人間性を育むうえで大きな意義や効果があると考えられる。この運動部活動が、部活動顧問(指導者)の負担にも配慮しつつ、より充実し、より意義深いものとなるよう、白根開善学校は、以下の事項に留意した運動部指導及び運営を行うこととする。
2.運動部活動のあり方と目的
○運動部活動は、スポーツに興味・関心のある生徒の自主的・自発的な参加により、各部顧問(指導者)の指導のもと行う。
○運動部活動は、学校教育の一環として、教育課程との関連を図りつつ、合理的でかつ効率的効果的に指導・運営を行う。
○運動部活動では、生徒に、知・徳・体のバランスのとれた「生きる力」を育むとともに、運動習慣の確立等を図り、生涯にわたって心身の健康を保持増進し、豊かなスポーツライフを実現するための資質・能力を養う。
○運動部活動においては、体力や技能の向上のみならず、異年齢との交流の中で、生徒同士や生徒と教師等との好ましい人間関係の構築、学習意欲の向上や自己肯定感、責任感、連帯感の涵養などを通して、運動部活動の場が生徒の多様な学びの場となるようにする。
○運動部活動においては、生徒の身体的心理的発達段階を考慮するとともに、それぞれの生徒の特性に配慮した指導を行うこと。
○運動部活動も開善教育の一環であることを踏まえ、「ひとはみな善くなろうとしている」の基本理念のもと、生徒の善さを引きだし、生徒どうしが互いの善さを尊び、個性を認めあい、協力し合う、人間形成の場となるようにする。
3.運動部活動の指導・運営に係る体制
学園長は、生徒の状況、指導内容の充実、生徒の安心安全の確保等の観点から、適正な数の運動部を設置し、適正な数の顧問を配置する。また、学校全体として部活動の指導・運営に係る体制を整える。
4.合理的でかつ効率的効果的な活動の推進のための取組み
(1) 適切な指導の実施
○顧問(指導者)は、生徒の心身の健康管理、事故防止及び体罰・ ハラスメントの根絶を徹底する。生徒の人格を傷つける言動や体罰はいかなる場合も行なってはならない。
○部活動の指導に当たっては、部活動の位置付けや教育的意義を踏まえ、生徒の心身の発達の段階に応じた科学的な指導、安全の確保や、事故発生後の対応を適切に行うこと。
○顧問(指導者)は、生徒の体力の向上や大会での勝利だけを部活動の目的とせず、生涯を通じてスポーツに親しむ基礎を培うことができるよう、生徒とコミュニケーションを十分に図り、休養を適切に取り、短時間で効果が得られるような指導を行うこと。
○各運動部の顧問(指導者)は、年間の計画、活動の目標、指導の方針について、生徒の主体性を尊重しつつ、検討・設定・見直しを行うこと。保護者に対しても、部活動における目標や方針、計画等を積極的に説明し理解を得ること。
○学園長は、職員会議等の中で、運動部活動の指導・運営状況の確認、意見交換・情報共有・諸問題の検討の場を設ける。また、生徒が安全にスポーツ活動を行い、顧問(指導者)の負担が過度とならないよう、適宜、指導・是正を行う。
○外部指導者等の協力を得る場合には、学校全体の目標や方針、 各部の活動の目標や方針・計画、具体的な指導の内容や方法、生徒の状況、事故が発生した場合の対応等について、学校及び顧問の教員と外部指導者等との間で十分な調整を行い、理解を得るとともに情報を共有する。技術的な指導においても、必要なときには顧問の教員は外部指導者に適切な指示を行い、指導を外部指導者に任せきりにしないこと。
(2) 適切な休養日等の設定
運動部活動における休養日及び活動時間については、生徒が、学校生活・自主学習・運動・食事・休養・睡眠のバランスのとれた生活を送ることができるよう、以下を基準とする。
○休養日 週当たり2日の休養日を設ける。平日は少なくとも1日を休養日とし、土曜日及び日曜日は少なくとも1日を休養日とする。週末に活動した場合は休養日を他の日に振り替える。なお、長期休業中に活動をする場合も休養日は学期中に準じた扱いとする。
○活動時間 放課後の部活動は実質2時間程度、半日授業日及び休日の部活動は実質3時間程度を目安とし、短時間に、合理的でかつ効率的・効果的な活動を行う。
5.生徒のニーズを踏まえたスポーツ環境の整備
○学校は、生徒の多様なニーズに応える運動部の設置に努める。生徒の運動・スポーツに関するニーズはさまざまであり、競技力の向上以外にも、友達と楽しめる、適度な頻度で行える等多様であることを踏まえ、女子や障害のある生徒等も含めてニーズに応える運動部を設置するよう努める。
○学校は、生徒の多様なニーズに応え、また、運動部活動への参加の効果を一層高めるためにも、地域のスポーツ活動と連携・協働した取組みの実施に努める。
6.実際の活動での効果的な指導に向けて
・運動部活動は、生徒の自主的・自発的な参加によるものであることを踏まえ、指導者は、年間計画、活動目標、指導の方針、指導内容や方法を生徒に伝え、活動が生徒の理解により進められるようにする。日常の指導においても、指導者と生徒がコミュニケーションを十分にとり、練習において、誰が、何を、いつ、 どこで、なぜ(どのような目的で)、どのように行えばよいのか等を理解させて活動させていくこと。顧問(指導者)と生徒との信頼関係を重視すること。
・生徒が主体的に自立して取り組む力を育成するため、個々の生徒が、自ら目標を設定し、その達成、解決に向けて必要な内容や方法を考えたり、調べたりして、実践につなげたり、生徒どうしで話し合うなど、言語活動も重視する
こと。
・顧問(指導者)は、生徒自らが意欲をもって取り組む姿勢となるよう、肯定的な指導に努め、評価や励ましの観点から積極的に声をかけていくことが望ましい。
・顧問(指導者)は、生徒の状況の細かい把握に努め、個々の生徒の健康、体力等の状況を事前に把握するとともに、疲労状況や精神状況を把握しながら指導すること。
・顧問(指導者)は、望ましい人間関係や人権感覚の育成、生徒への目配り等により、上級生による暴力行為やいじめ等のない適切な集団づくりに留意すること。
・顧問(指導者)は、計画的な活動を通して、各生徒の発達の段階・体力・習得状況等を把握し、無理のない練習となるよう留意し、参加する大会数についても生徒に無理のない範囲に収めること。また、施設・設備・用具の定期的な安全確認、事故が起こった場合の対処の仕方の確認にも十分に留意すること。
・運動部活動中は、顧問(指導者)が生徒の活動に立ち会い、直接指導することを原則とするが、やむを得ず直接練習に立ち会えない場合には、他の教員と連携・協力したり、あらかじめ、顧問(指導者)と生徒との間で約束された安全面に十分に留意した内容や方法で活動させること。
・運動部活動での指導は、生徒の年齢、健康状態、心身の発達状況、技能の習熟度、活動を行う場所的、時間的環境、安全確保、気象状況等を総合的に考えた科学的・合理的な内容や方法により行われること。
・顧問(指導者)は、当該スポーツ種目の技術的な指導力や、部活動における運営・指導方法等について、学校内外の研修を通して研究し指導力の向上に努めること。
以上