コブハサミムシ
ハサミムシ目 クギヌキハサミムシ科 コブハサミムシ亜科
Anechura harmandi
カメムシほどではないですが、校内でよく見かける昆虫の一つ。
調べてみると、興味深く感動的で驚きの生態です。

 オス(アルマン型)

 メス

 威嚇(前)

 威嚇(後)エビ反り半端ない
Canon Macro Lens EF-S 35mm f/32 1/20秒 ISO-1600

やや赤茶色がかった黒色で、翅の先端部は黄褐色。山地に多く、河原の石の下などで見られるそうです。
オスの「ハサミ(鋏子)」には変異があり、太短くて強く湾曲したアルマン型と、細長いルイス型があり、学校で確認されているのはアルマン型です。

ハサミムシの「ハサミ」の役割は、敵に対する威嚇と攻撃です。挟まれると痛いです。
また、「ハサミ」を使いダンゴムシやイモムシなどを捕食して食べたり、メスとの交尾の時にも使われるようです。

驚く事は、コブハサミムシは発達した後翅を持ち、羽化時期や越冬前の時期に飛翔することです。
おまけみたいに小さい前翅の下には、複雑に折り畳まれた後翅があり、黄褐色の部分は後翅の一部です。飛べるんです!、外見からは想像もつかない、飛翔タイプのハサミムシです。
コガネムシ“墜落”動画で有名な平井文彦さんのtwitterにはハサミムシの飛翔の動画があり、必見です。

「ハサミムシの翅 / 平井文彦さんtwitter」はこちら

その後翅の折り畳み方が宇宙科学研究所で人工衛星のアンテナなどの折り畳み方として考案され、応用されているそうです。コブハサミムシは「下町ロケット品質」の昆虫でした。

驚くべき生態はさらに続きます。
コブハサミムシは冬、山地の谷筋の河原にある石の下を主な産卵場所とするらしいです。卵が孵化するまで、母虫は卵をなめたり、卵塊を積み替えたりして、微生物の感染を防ぐとともに、卵を狙ってくる他の昆虫に対しても果敢にお尻のハサミを使って卵を死守します。年が明けて早春、コブハサミムシの母虫は孵化した幼虫に自らの体を餌として与えるそうです。餌が不足する時期でもあり、幼虫は生きるために母親を最初の食糧にします。自分が生み、守ってきた子どもたちに食い殺されてしまうんですね。その母性愛は海より深いとも言われています。
幼虫は母親を食い尽くした後、産卵されていた場所を離れて単独生活に入るそうです。なんて壮絶で献身的な展開でしょう。
学校では雪が降る直前の11月、12月に見かけることも多く、もしかすると近くに産卵場所があるのかもしれません。石の下、覗いてみようと思います。