ツチハンミョウのページ
 
最初にこの昆虫を見た時、アリが歩いているのかと思いました。(体長約25o)
昆虫に詳しい生徒(もっちゃん)に、ツチハンミョウですよと教えられ、この虫について調べると、非常に変わっているので面白く、このページを作りました。
詳しくは、集英社から出ている「ファーブル昆虫記6−ツチハンミョウのミステリー」奥本大三郎著に載っています。



12月8日昼、玄関の入り口を歩いているヒメツチハンミョウ(♀)を発見、この日の夕方にももう一匹(♂)見つけ、こんな寒いのによく生きているなと感心しました。
翅(はね)は退化して短くお飾りといった程度、おなかは大きく膨れています。卵が沢山入っているのでしょうか。成虫になる確立が低く、幼虫たちのサバイバルは凄まじいようです。



驚かせると足を縮めて死んだフリをします。
とても臆病です。この時はお尻から分泌を出しています。お腹もピカピカです。
ファーブル昆虫記によると、肢の関節から黄色い汁も出すそうで、カンタリジンという毒があるそうです。



れは♂の写真で、上の2枚の写真が♀です。♂は触覚の途中がハート型になっています。


ツチハンミョウの 生態
(過変態)について

@ツチハンミョウのメスは土の中に4千個以上の
 卵をうみます。(異常に多い)


A卵からかえった第1期幼虫は強い大あごと肢に
 ツメをもっています。
 アザミなどの花にのぼり、ハチのからだの毛に
 しがみつきます。
 のぼる花をまちがえたり、しがみつたのが他の虫
 では生き残れません。


B巣に戻ったハチが、卵をうむ瞬間にツチハンミョウ
 の幼虫がぴょんとハチの卵の上にとび移ります。
 卵の回りはミツがあり、うまくとび移らないと
 おぼれてしまいます。


C卵を食べ終わると芋虫のような第2期幼虫になり
  こんどはミツを食べます。


D第3期幼虫はじっとしていて、サナギにそっくりの
 擬蛹になります。


E擬蛹の中でまた芋虫のような第4期幼虫になり
 (逆戻りの変態)、 またサナギになります。


Fサナギが擬蛹のカラを破り、外にはみだします


Gはみだしたサナギが脱皮して成虫になります。




 
ツチハンミョウの幼虫が生き残ることができるのは、すごく運のいいものだけです。「苦労したんだねぇ〜。」、とねぎらい言葉をかけてやりたくもなります。逆に、ハチにとっては卵をねらう天敵ですね。
山や森には、うまれつきの素晴らしい能力によって
生きる虫たちがいて、調和のとれた自然があること、虫たちの不思議や魅力を改めて学びました。